オレはブラックな仕事環境で育ってきた。と言うかそんなモンだと思っていたし疑問も無かった。
休みもたいして無ければサービス残業当たり前。最低賃金なんてどこ吹く風。
これが普通だと思っていた。
それしか知らないから、従業員に自分とおなじだけ働かせる。期待する。
だからオレは人は使えない。ブラックだから。
育った環境
オレは自分の親父の元で修行した。
サービス残業なんて当たり前。だいたい5時に終わったことなんか無いんじゃないの。
忙しいときは日曜日も無い。
また、先輩が平日に二日酔いかなんかで休んでその穴埋めのために日曜日に出勤すとると、
「先輩が仕事してるのに何をお前が休んどるだ!」
と言われ一緒に出勤。休みなんてほとんどない。
嫌なやりにくい仕事ばかりやらされ、ミスったらボロクソ言われる。パワハラ全開。
車の移動中、助手席で寝ると怒られる。
こんな環境で育って来ました。
職人界は当たり前
これも完全にオレの偏見と意見だけど、職人の世界では当たり前の事だと思っていました。
学生の頃から体育会系で育って来たし。
当時は「ブラック企業」なんて言葉も当然なかったし、「パワハラ」なんて言葉も無かったんじゃないかな。
ブラック企業を肯定するわけではないが、「会社の為に身を粉にするのは当たり前じゃないの。」っと思っていた。
それがブラック思考なんだけど。
他の業界も当然みたいなのを聞いたことがある。飲食店や美容師なんかも相当劣悪な環境なんだと。
今の環境は?
おっ母によく言われたよ。
「今の子は褒めて伸ばせ。」
はぁ?褒めろと言われてもオレが褒められた事がないのにどうやって褒めろって言うの?
褒め方教わってねぇよ。
忙しい時でも若い衆には休憩させて、自分は休憩なしで働く。
5時近くになったら若い衆がソワソワしだすからそろそろお片ずけ。
移動中はお昼寝タイム。
こんなん接待やん。
若い衆に気ぃ使って金も使うなんて・・・・
キャバクラのねーちゃんにだってそこまでもてなさないぞ。
ブラックな根性
今ならちょっとは分かる。従業員や若い衆が社長や親方と同じだけの志や情熱を持っていないということを。熱くなれば熱くなるほど温度差ができるという事を。
もうオレはブラックな精神が染み付いている。
でもコッチだって雇う時に最初に言うんだぜ。
「うちはコレコレこうで厳しいけどいいか?」って。
すると「はい!大丈夫です!頑張りますっ!」
って言うんだぜ。
セルフブラック
今はいないけど、今まで何人か従業員や若い衆を使って来た。
自分で最前線で動いてお前らも付いて来いって感だった。
従業員や若い衆にオレと同じだけ働かしてしまう。なぜならブラックだから。
だからオレは人を雇えない。今なら訴えられてしまうから。
セルフブラックでやるしかないんだ。